SACHS（ザックス）

ドイツ南部のシュヴァインフルトで、エルンスト・ザックスとカール・フィヒテルは、自転車部品の製造会社であるFichtel & Sachsを設立。これが、SACHSの誕生である。当時、自転車は黎明期を迎えており、高品質な自転車用ハブは、その発展に欠かせない存在だった。

Fichtel & Sachsは、オートバイ用クラッチの開発に成功。従来のベルト式クラッチに比べ、操作が容易で耐久性の高いこのクラッチは、瞬く間にオートバイ業界で標準装備となった。これが、SACHSの名を世界に知らしめるきっかけとなった。

戦後の復興期、Fichtel & Sachsは、自動車用ショックアブソーバーの開発に成功。乗り心地と安全性を向上させるこの製品は、自動車市場の拡大とともに大きな成功を収め、SACHSは四輪市場への参入を果たした。

自動車産業の激動の時代を迎えて、Fichtel & Sachsは、ドイツの大手自動車部品メーカーZFと合併。ZF SACHSとして新たなスタートを切った。この合併により、SACHSは、より幅広い製品ラインナップと技術力を獲得し、グローバル企業としての地位を確立した。

現在、SACHSは、電気自動車向けのトランスミッションや駆動システムなどの開発に力を入れている。自動車産業の電動化という新たな時代においても、SACHSは革新的な技術でモビリティの未来を創造し続ける。