BILSTEIN（ビルシュタイン）

ドイツ西部のヴェストファーレン州アルテンフェルデ（現在のエンネペタル）で、鍛冶職人であるアウグスト・ビルシュタインは、自身の技術と情熱を注ぎ、1873年に金属加工工場を創業。当初は窓の金具製造から始まり、堅実な歩みを始める。

創業者の息子ハンス・ビルシュタインが経営を引き継ぎ、アメリカから帰国した際にニッケルメッキとクロームメッキの新技術を導入。1927年頃から自動車産業への進出を開始。

1954年にフランス人研究者ド・カルボン博士の発見を基に、世界初の単筒式高圧ガス封入ダンパーの実用化に成功。これが現代のショックアブソーバー技術の基礎となる。

1957年、メルセデス・ベンツの量産車に世界初の単筒式ガス圧ショックアブソーバーが採用される。この採用により、自動車業界に旋風を巻き起こし、アクティブセーフティへの大きな貢献として評価される。

メルセデス・ベンツがモンテカルロ・ラリーでBILSTEIN製ガス圧ショックアブソーバーを装着し初回参戦で勝利。以降、レース活動への積極的な参戦を通じて技術開発を加速し、世界中の自動車メーカーから信頼を獲得。

1988年にティッセンクルップ・テクノロジーズAGの一部門となり、グループ構造を形成。2005年にはティッセンクルップの100%子会社となり、規模の経済を活かした国際市場開拓を加速。

電気自動車の普及を見据え、新たな技術開発に注力。高度な制御システムを備えたダンパーを開発し、電動化時代の自動車部品市場を牽引。