INA（イナ）

第二次世界大戦終戦直後のドイツ、ヘルツォーゲンアウラッハという小さな町で、工業技術者であったゲオルク・シェフラーは、妻と共に小さな工場を立ち上げました。戦火で傷ついたドイツ復興の希望を胸に、彼らは精密機械部品の製造を開始しました。これが、INAの誕生です。

INAは、自動車産業の成長に目を向け、エンジン部品の製造に参入します。そして、1958年に自動車用カムフォロワーの量産を開始。従来の部品よりも軽量で耐久性に優れたこの製品は、瞬く間に自動車メーカーに認められ、INAは業界のトップランナーへと躍進します。

欧州市場での成功を足掛かりに、INAはグローバル展開を加速させます。北米、南米、アジアに生産拠点を設立し、世界中の自動車メーカーに高品質な部品を供給していきます。

自動車技術の進化とともに、INAも新たな挑戦を開始します。エンジン部品だけでなく、トランスミッションやシャシー関連部品など、製品ラインアップを拡充。自動車の安全性と快適性を向上させる技術開発に積極的に取り組みます。

2000年代に入り、INAは自動車部品製造大手のSCHAEFFLERに買収され、その一部となる。SCHAEFFLERの広範な製品ラインナップとグローバルなネットワークを活用し、更なる成長と技術開発を進めています。

現在、INAは世界有数の自動車部品メーカーとして、100カ国以上で事業を展開しています。電動化や自動運転といった自動車産業の変革にも積極的に対応し、未来のモビリティ社会を支える技術開発を続けています。