
ルーツの始まり
DELPHIの最も古い前身企業であるNew Departure Bell Companyが1888年にコネチカット州ブリストルで設立されました。当初はドアベルの製造から始まり、1897年には世界初の自転車コースターブレーキを開発するなど、輸送機器分野へと展開していきました。
ゼネラルモーターズとの統合
1918年、ゼネラルモーターズ(GM)がUnited Motors Companyを買収し、DELPHIの前身企業群がGMファミリーの一員となりました。この中にはチャールズ・ケタリングが設立したDelco(Dayton Engineering Laboratories Company)も含まれており、自動車の電気システム革新の基盤が築かれました。
統合と組織化
GMは全世界約200の工場に分散していた部品事業を統合し、Automotive Components Group(ACG)を設立しました。1995年にはACGがDelphi Automotiveに改名され、独立に向けた準備が本格化しました。
自立への挑戦
GMの経営再建に伴い、1999年にDELPHIは独立を果たします。独立後は、GMへの依存度を減らし、新たな顧客を獲得していく必要性に迫られました。当時、売上高約285億ドルの世界最大の自動車部品メーカーとして新たなスタートを切りました。
試練の時代
独立後の経営は厳しく、高い労働コストや自動車産業の競争激化により、2005年10月8日に連邦破産法第11章(チャプター11)の適用を申請しました。当時、自動車業界史上最大の破産申請となりました。
再生への道
約4年間の破産手続きを経て、2009年10月に新しいDELPHI Corporationとして再生しました。私的投資家グループによる買収により、コア事業に特化した新体制でスタートを切りました。
分割独立で新たな挑戦
2017年12月、DELPHIは事業を分割し、自動運転技術を中心とするAptiv PLCと、パワートレインおよびアフターマーケット事業のDelphi Technologies PLCに再編されました。この戦略的分割により、各事業がより専門的で効率的な経営を実現しました。
BorgWarnerとの統合
2020年10月2日、Delphi Technologiesはアメリカの自動車部品メーカーであるBorgWarnerに33億ドルで買収されました。この統合により、電動化技術と内燃機関技術の両方で業界をリードする総合的なソリューションプロバイダーとして新たな展開を開始しました。
PHINIAとしての新章
2023年7月5日、BorgWarnerはDelphi Technologies、Delco Remy、Hartridgeの各事業をPHINIAとして分離し、独立企業として新たなスタートを切りました。現在もDELPHIブランドは自動車部品業界で重要な役割を果たしています。
参照元
DELPHI(BorgWarner/PHINIA)の成長推移
DELPHI(BorgWarner/PHINIA)の企業評価
DELPHIの特長

- グローバルなアフターマーケットリーダー
DELPHIは、世界150カ国以上にわたる広範なネットワークを持ち、包括的なアフターマーケットサービスを提供しています。 - 革新的な技術ヘリテージ
DELPHIは、1888年の創業以来、自動車業界の技術革新を牽引してきた130年以上の豊富な経験と実績を持っています。 - 包括的な製品ポートフォリオ
燃料システム、エンジン管理、電子システム、イグニッション部品など、幅広い製品ラインナップで自動車の性能向上をサポートしています。
DELPHIは創業以来、自動車業界最高水準の品質管理体制を構築してきました。長年にわたる技術革新と厳格な品質基準により、OEM(純正装備)品質を維持し、世界中の自動車メーカーから信頼を獲得しています。
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