整備マニュアルご利用に関する注意事項
- 本整備マニュアルは、BMW整備士の皆様の技術向上と作業効率化をサポートすることを目的として提供しており、整備作業の結果や安全性を保証するものではございません。
 - 整備作業は車両の安全性に直結する重要な業務であり、常に細心の注意と適切な技術、十分な経験が必要です。本マニュアルの内容は参考情報として活用いただき、実際の整備作業においては、お客様ご自身の技術的判断と責任のもとで実施してください。
 - 車両の年式、グレード、仕様、使用状況等により、実際の作業内容や手順が本マニュアルの記載と異なる場合があります。作業前には必ず車両固有の情報を確認し、BMW公式の技術情報や最新のサービス情報もご参照ください。
 - 本整備マニュアルを参考にした整備作業により発生した車両の損傷、人身事故、その他いかなるトラブルや損害につきましても、当店では一切の責任を負いかねます。整備作業は必ずお客様の責任と判断のもとで実施していただきますよう、予めご了承ください。
 - 安全で確実な整備作業のため、適切な工具の使用、安全装備の着用、作業環境の整備を徹底し、不明な点がございましたら専門店にご相談いただくことをお勧めいたします。
 
目次
準備作業
STEP
フロントユニットアンダーガード脱着/交換

- すべてのボルトを外します。
 - ユニット アンダー ガードを取り外します。
 
ポイント
- ユニットアンダーガードが正しく取り付けられているか確認しましょう。
 
STEP
電動ステアリングギアボックス (EPS) をズラす(取り外さない)
ポイント

- 作業を開始する前にホイールアライメントを実施しなくてもよいよう、フロントアクスルキャリア ②に対するステアリング ギア ボックス ①の位置に以下のように印を付けておきましょう。
- 前のボルト締付け部 (左および右) に幅の広い白い線を引く
 - その上に黒色の薄いマーク③を付ける
 
 

- ボルト①を緩め、スタビライザー②をフロント アクスル キャリアから吊下げます。
 
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| タイプ | ボルト | 締め付けに関する規定 | 大きさ | 
|---|---|---|---|
| F01 / F02 / F03 / F04 / F06 / F07 / F10 /F11 / F12 / F13 / F18 | M12 | ボルトを新品に交換する | 100Nm | 
| F03 | M14 | ボルトを新品に交換する | 165Nm | 
| F25 / F26 | M10 | – | 56Nm | 

- コネクター①をロック解除し、離します。
 

- ボルト①を外します。
 - ホルダー②をラインと共に脇へ置きます。
 
横にスクロール 
| タイプ | ボルト | 締め付けに関する規定 | 大きさ | 
|---|---|---|---|
| F01 / F02 / F04 / F06 / F07 / F10 /F11 / F12 / F13 / F18 | – | – | 8Nm | 

- ボルト①を外し、ステアリングギアボックスをズラします。
 
横にスクロール 
| タイプ | ボルト | 締め付けに関する規定 | 大きさ | 
|---|---|---|---|
| F01 / F02 / F04 / F06 / F07 / F10 / F11 / F12 / F13 / F18 | M12 | ボルトを新品に交換する | 締付けトルク:100Nm ローテーションアングル:90 °  | 
| F01 / F02 / F07 / F10 / F11 / F12 / F13,4輪駆動 | M14 | ボルトとナットを新品に交換する | 締付けトルク:100Nm ローテーションアングル:105 °  | 
| F03 | M14 | – | 165Nm | 
| F25 / F26 | M12 | – | 100Nm | 
| F15 / F16 / F85 / F86 | M10 | ボルトを新品に交換する | 締付けトルク:24Nm 全てのボルトを再び緩める:90° 締付けトルク:56Nm 回転角度:90°  | 
ポイント
- 取り付けの際、ステアリングギアボックスをズラす前にフロントアクスル キャリアに付けたマークと再び合うように注意しましょう。
 - ボルト①を新品に交換します。
 

- ステアリングギアボックスをワイアハーネスと共に下方にズラします。
- 取外しの際、電気ステアリングギアボックス(EPS)のコネクター①を損傷しないように気を付けましょう。
 
 
STEP
ファンシュラウド(電動ファンを含む)の脱着/交換

- ファンシュラウドのボルト①を外します。
 - チャージエアガイド②をファンシュラウドから外します。
 
横にスクロール 
| タイプ | ボルト | 値 | 単位 | 
|---|---|---|---|
| N55 / N55 Hybrid | – | – | 5Nm | 

- 右ファンシュラウドのコネクター①のロックを外し、抜きます。
 

- ファンシュラウド①の左右のクランプ②を外し、上方へ引き抜いて取り外します。
 
ポイント

- ホールドプレート①下部をモジュールキャリアに挿入します。
 
本作業
クーラントポンプの脱着/交換

- クーラントホース①を外します。
 
横にスクロール 
| タイプ | ボルト | 値 | 単位 | 
|---|---|---|---|
| N55 | L42-48 | ホースクランプ | 3Nm | 
ポイント

- ホースクランプの取付け位置を確認しましょう。
 
横にスクロール 
| タイプ | ボルト | 値 | 単位 | 
|---|---|---|---|
| N55 | L42-48 | – | 3Nm | 

- 組立て方法を確認します。
 
ポイント
- ホース クランプ①をマークの付いた範囲の中央に取り付けましょう。
 

- ボルト①を外します。
 
横にスクロール 
| タイプ | ボルト | 値 | 単位 | 
|---|---|---|---|
| N55 | M8 x 27 | ボルトを交換する ネジ山の修理は必ず Alu‐Heli‐Coil を使用する 締付けトルクとトルクアングルを必ず守る  | 締付けトルク:10Nm トルクアングル:90 °  | 
ポイント
- ボルト①を交換します。
 

- ケーブル①をホルダーから外します。
 - ボルト②を外します。
 
横にスクロール 
| タイプ | ボルト | 値 | 単位 | 
|---|---|---|---|
| N55 | M8 x 27 | ボルトを交換する ネジ山の修理は必ず Alu‐Heli‐Coil を使用する 締付けトルクとトルクアングルを必ず守る  | 締付けトルク:10Nm トルクアングル:90 °  | 
ポイント
- 電動ウォーター ポンプを再使用する場合は、破断トルクのため、スパイダーホィールでポンプを1回転させます。
 - エンジンを元通りにします。
 - エア抜き規定を必ず守りましょう。
 
仕上げ作業
STEP
冷却システムをエア抜きし、漏れを点検する

- 補給時のみ必ず規定のクーラントを使用します。
 - 混合比を確認し、ゆっくりと充填します。
 - クーラントレベルを最大に調整します。
 
冷却システムのエア抜き
- バッテリー充電器を接続します。
 - イグニッションをオンにします。
 - ロー ビームをオンにします。
 - ヒーターを最大温度に調整し、ブロワーを最低ステージに調整します。
- FES (ドライビングモードスイッチ) はECO PROモードに入っていないか確認します。
 
 - アクセルペダルを10 秒間ストップ位置まで押す。
- エンジンをスタートしないように注意しましょう。
 
 - アクセルペダルを踏み、約12分間エアを抜きます。
- 電動クーラーポンプが作動し、約12分後に自動的にオフになります。
 
 - クーラントエクスパンションタンクの充填レベルを最大に調整します。
 - 冷却システムの漏れを点検します。
 - エア抜きをもう一度実行する必要がある場合(冷却システムに漏れがある場合など)、DME 全体をオフにして(約3分間イグニッションキーを抜く)、項目 2 以降を繰り返します。
 
ポイント
- エア抜き作業中は、冷却水タンクのキャップを開けたままにしておきます。
 - 排気のため、ロービームをオンにしてください。
ロービームをオンにしないと、しばらくしてイグニション(ターミナル15) が自動的にオフになり、排気が中断されます。 

- クーラントエクスパンションタンク①を閉じます。
 
ポイント
- キャップ①を、矢印マークと揃うまで閉めます。
 
STEP
クーラント注入キャップを調整する(※N53のみ)

- 冷ましたエンジンで、クーラントレベルを点検し、クーラント注入キャップ上端から(A)約110mmから160mm下に調整します。
 

- クーラント エクスパンション タンクを閉じます。
 
ポイント
- キャップ①を、矢印マークと揃うまで閉めます。
 
BMWの整備代行のご紹介
お疲れ様でした。
以上がBMW 6シリーズ F12/F13/F06 640i 電動ウォーターポンプの脱着/交換の整備解説になります。
この解説でも整備が完結できなかったり、問題が生じた場合は、GNARLY automobileまでご相談ください。
BMW認定資格を保有している整備士が、確実な整備とアドバイスをさせていただきます。

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