VDO（ブイディーオー）

ドイツのオットー・シュルツェ（Otto Schulze）が1902年に渦電流式スピードメーターの特許を取得し、自動車の速度計測に革命をもたらしました。1921年、アドルフ・シンドリング（Adolf Schindling）がOSA Apparate GmbHを設立し、1923年から本格的なスピードメーターの製造を開始しました。

1928年にDEUTA（Deutsche Tachometer-Werke GmbH）とOTA Apparate GmbHが合併し、翌1929年にVDO Tachometer AGが設立されました。VDOは「Vereinigte DEUTA – OTA（統合されたDEUTA – OTA）」の略で、この3文字が世界中で信頼できる精密測定器の代名詞となりました。

1939年、フォルクスワーゲン・ビートルにVDO製スピードメーターが初めて量産採用され、VDOブランドが世界中のドライバーに親しまれるようになりました。戦後は自転車やオートバイ用スピードメーターから復興を開始し、ドイツの経済奇跡とともに成長を遂げました。

1991年にVDOはマンネスマン（Mannesmann）に買収されました。この時代には電子制御クルーズコントロールシステムの発明、車内初のクォーツ時計の搭載、統合オンボードコンピューターを備えた情報システムの開発など、数々の革新的技術を生み出しました。

1999年にマンネスマンがボーダフォンに買収された後、2000年にVDOはシーメンス（Siemens）に買収され、シーメンスVDOオートモーティブAGとなりました。シーメンスの技術力と経営資源を活かし、自動車電子機器とメカトロニクスの世界的なサプライヤーとして大きく成長しました。

2007年12月、VDOはタイヤ・自動車部品メーカーのコンチネンタル（Continental）に114億ユーロで買収されました。Continentalの電子制御技術とVDOの自動車計器技術を融合させ、高度な情報・通信システムや安全技術の開発に注力しています。

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自動運転技術の進歩により、自動車部品メーカーの役割は大きく変化しています。VDOは、自動運転システムの開発に積極的に参画し、コネクテッドカー技術やテレマティクスソリューションで新たな時代を切り開いています。100年以上の歴史を持つVDOは、これからも自動車産業の革新を牽引し続けます。